水辞典

RO水とは?逆浸透膜の仕組みと天然水・浄水との違い

ウォーターサーバーや浄水器について調べていると、「RO水」という言葉を目にすることがあります。

「RO水って普通の水と何が違う?」「天然水との違いは?」「ミネラルも除去されるの?」など、気になることも多いでしょう。

RO水は、RO膜(逆浸透膜)と呼ばれる膜を利用して、水中のさまざまな物質を分離・除去した水です。

今回は、RO水とはどのような水なのか、逆浸透膜の仕組みや純水・天然水・一般的な浄水との違い、メリットや注意点について紹介します。

RO水とは?

RO水とは、Reverse Osmosis(逆浸透)という技術を利用して処理された水です。

RO膜と呼ばれる非常に細かな膜に圧力をかけて水を通し、水と水中に含まれるさまざまな物質を分離します。

RO膜は、水処理施設や産業用途、海水淡水化、家庭用の浄水設備など、さまざまな分野で利用されています。

飲料用のRO水も、この技術を利用してつくられています。

RO膜(逆浸透膜)とは?

RO膜は、水中の物質を分離するために使用される膜です。

通常のろ過では、フィルターの孔より大きな粒子などを物理的に取り除きます。

RO膜では、圧力を利用して膜を通過する水と、膜を通過しにくい物質を分けます。

そのため、一般的なろ過では除去が難しい溶解したイオンなども高い割合で除去できることが特徴です。

「逆浸透」とはどういう意味?

ROの仕組みを理解するには、まず浸透について知ると分かりやすくなります。

濃度の異なる溶液を、水などの溶媒を通しやすい膜で隔てると、濃度差を小さくする方向へ溶媒が移動する現象があります。これが浸透です。

一方、濃度の高い側に浸透圧を上回る圧力を加え、通常の浸透とは反対方向へ水を移動させる仕組みが逆浸透です。

この原理を水処理に利用したものがRO膜です。

RO膜では何が除去される?

RO膜は、水中に含まれるさまざまな溶解物質を低減するために利用されます。

たとえば、カルシウムやマグネシウムなどのイオンもRO膜による処理の対象になります。

そのほかの物質についても除去・低減できる場合がありますが、実際の性能は膜の種類、装置、原水、水圧、温度、使用状態などによって異なります。

「RO膜ならすべての物質を100%除去できる」と考えるのではなく、製品ごとの性能を確認することが重要です。

RO水と純水の違い

RO水と純水は同じ意味で使われることがありますが、厳密には考え方が異なります。

RO水は、RO膜による処理を行った水を指します。

一方、純水は、水に含まれるイオンや有機物などの不純物を取り除き、純度を高めた水を指す言葉です。

純水をつくる方法にはRO膜だけでなく、イオン交換や蒸留など複数の方法があります。

また、より高い純度が必要な場合には、複数の処理方法を組み合わせることもあります。

RO水と天然水の違い

天然水とRO水では、水の特徴だけでなく、考え方そのものに違いがあります。

天然水は、地下水など自然由来の水を原水とし、その水源に由来する成分を含んでいます。

一方、RO水は、原水をRO膜で処理し、水中のさまざまな成分を除去・低減してつくられます。

つまり、天然水は水源由来の特徴を持つ水、RO水は膜処理によって成分を大幅に取り除いた水という違いがあります。

RO水と一般的な浄水の違い

家庭用浄水器には、活性炭や中空糸膜、セラミックなど、さまざまなろ材や方式が使用されています。

それぞれ除去する対象や仕組みが異なり、水にもともと含まれる成分をすべて取り除くことを目的としているわけではありません。

一方、RO膜では、水中に溶けているさまざまなイオンなども分離対象となります。

そのため、「浄水」と「RO水」は同じものではありません。

どちらが適しているかは、何を除去したいのか、どのような水を求めているのかによって異なります。

RO水にはミネラルがない?

RO膜では、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分も除去・低減されます。

そのため、RO膜で高度に処理された水は、天然水などと比較してミネラル成分が少なくなります。

ただし、市販されているRO水の中には、RO処理を行ったあとにミネラル成分を加えて調整している製品もあります。

「RO水」という名称だけでは最終的な成分までは分からないため、商品の成分表示や製造方法を確認するとよいでしょう。

RO水のメリット

RO水の大きな特徴は、RO膜によって水中の幅広い溶解物質を除去・低減できることです。

原水に含まれる成分を大幅に取り除くことができるため、水質を一定に調整したい用途にも利用されています。

飲料水だけでなく、海水淡水化や研究、製造など幅広い分野でRO技術が利用されているのも、この分離性能によるものです。

RO水の注意点

RO膜は幅広い物質を除去できる一方、原水に含まれるカルシウムやマグネシウムなども低減します。

また、RO装置では膜を通過した水とは別に、除去された成分を含む濃縮水が生じるため、製品によっては一定量の排水が発生します。

RO膜そのものだけで装置が構成されるとは限らず、前処理用フィルターや後処理用フィルターなどを組み合わせる場合もあります。

フィルターや膜には交換・メンテナンスが必要なため、導入時にはランニングコストなども確認しておきましょう。

RO水はウォーターサーバーにも使われている

ウォーターサーバーで提供される水には、天然水だけでなくRO水を使用したものもあります。

RO処理した水をそのまま利用するものや、RO処理後にミネラル成分を加えて調整したものなど、製品によって特徴は異なります。

ウォーターサーバーを選ぶ場合は、「天然水かRO水か」だけではなく、水の処理方法、成分、料金、容器、メンテナンス方法なども比較するとよいでしょう。

RO水と浄水器はどちらがいい?

RO水と一般的な浄水器の水は、それぞれ目的や特徴が異なるため、一概にどちらが優れているとはいえません。

水中のさまざまな成分をできるだけ除去したい場合には、RO方式が選択肢の一つになります。

一方、水道水に含まれる特定の物質を除去・低減しながら、水にもともと含まれる成分を残したい場合には、目的に合ったろ材を使用する浄水器という選択肢もあります。

重要なのは方式の名称だけではなく、「何を除去したいのか」「どのような水を飲みたいのか」を明確にして選ぶことです。

RO水の特徴を知って選択しよう

RO水は、逆浸透膜を利用して水中のさまざまな物質を分離・除去した水です。

天然水のように水源由来の成分を生かす考え方とは異なり、RO水は原水に含まれる成分を大幅に取り除くことに特徴があります。

また、RO処理後にミネラルを加えている飲料水もあるため、「RO水だからミネラルがまったく含まれていない」と一括りにすることもできません。

水源、処理方法、除去性能、最終的な成分などを確認し、自分が求める水に合った方法を選びましょう。

※本記事はRO水・逆浸透膜に関する一般的な情報の提供を目的としています。実際の除去性能や水質は装置・原水・使用条件などによって異なります。製品については各メーカーの性能表示、試験結果、取扱説明書などをご確認ください。



左 35歳 右 50歳

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