
純水とは?天然水・水道水との違いや特徴
水には、水道水、天然水、ミネラルウォーターなどさまざまな種類があります。その中で「純水」という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。
「普通の水と何が違う?」「ミネラルは入っていないの?」「RO水や蒸留水も純水?」など、名称だけでは分かりにくい部分もあります。
純水は、水に含まれるイオンや有機物、微粒子などの不純物を処理によって取り除き、純度を高めた水を指します。
今回は、純水の特徴やつくられる方法、天然水・水道水との違い、RO水や蒸留水との関係について紹介します。
純水とは?
純水とは、水中に含まれるさまざまな不純物を取り除き、H₂Oに近い状態へ純度を高めた水のことです。
自然界に存在する水には、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルをはじめ、さまざまな物質が含まれています。
純水は、それらの成分を処理によって除去した水です。
ただし、「純水」という言葉は用途や分野によって求められる純度が異なるため、すべての純水がまったく同じ水質というわけではありません。
自然界の水にはさまざまな成分が含まれている
雨や雪として降った水は、土壌や岩石などと接しながら河川や地下へ移動します。
その過程で、カルシウムやマグネシウム、ナトリウムなど、さまざまな成分が水に含まれることがあります。
また、水源や周辺環境によって、水中に存在する物質の種類や量も異なります。
そのため、自然界にある水は一般にH₂Oだけで構成されているわけではありません。
純水はどうやってつくられる?
純水をつくる方法には複数あり、目的とする水質や用途によって使用する処理方法が異なります。
代表的な方法には、次のようなものがあります。
- 逆浸透膜(RO膜)
- イオン交換
- 蒸留
- 電気的な処理を利用する方法
これらを単独で使用する場合もあれば、複数の処理を組み合わせて、さらに純度を高める場合もあります。
RO水と純水の関係
純水をつくる方法の一つに、RO膜(逆浸透膜)を利用する方法があります。
RO膜は非常に細かな膜を利用して、水中に含まれるさまざまな物質を分離する技術です。
RO膜によって処理された水は一般にRO水と呼ばれます。
ただし、RO水という名称だけで水質や処理工程がすべて同じという意味ではありません。装置や原水、処理工程などによって得られる水質は異なります。
蒸留水と純水の関係
蒸留も、水の純度を高めるために利用される方法の一つです。
水を加熱して水蒸気にし、それを冷却して再び液体に戻すことで、沸点などの性質が異なる物質と水を分離します。
この方法によって得られた水を蒸留水と呼びます。
RO水と蒸留水は、どちらも純度の高い水をつくるための方法に関係しますが、使用している原理は異なります。
純水と水道水の違い
水道水は、水道水として定められた水質基準に適合するよう処理・管理され、家庭などへ供給される水です。
水道水には、原水由来のカルシウムやマグネシウムなどが含まれている場合があります。
また、家庭の蛇口まで衛生的な状態を保つため、塩素による消毒が行われています。
一方、純水は、水中のイオンなどをできるだけ取り除き、純度を高めることを目的として処理された水です。
水道水と純水では、つくられる目的や水に含まれる成分が異なります。
純水と天然水の違い
天然水は、地下水など自然由来の水を原水とする水です。
地下を移動する過程で地層などからカルシウムやマグネシウムなどの成分が水に含まれることがあります。
一方、純水は、もともと水に含まれていたさまざまな物質を処理によって取り除き、純度を高めた水です。
そのため、自然由来の成分を含む水と、成分を除去して純度を高めた水という違いがあります。
純水にはミネラルが入っていない?
純水をつくる過程では、カルシウムやマグネシウムなどのイオンも除去対象になります。
そのため、高度に処理された純水では、自然の水や一般的な水道水と比較してミネラル成分が非常に少なくなります。
ただし、純水の純度は製造方法や用途などによって異なるため、「純水」という名称だけからすべての成分量を判断することはできません。
純水はどんなところで使われている?
純水は、家庭用だけでなく、さまざまな産業や研究分野で利用されています。
たとえば、医薬品や化粧品などの製造、研究・分析、電子部品や半導体などの製造工程では、水に含まれる微量な成分が製品や実験結果に影響することがあります。
そのため、用途に応じた水質の純水が使用されています。
また、洗浄後に水中の成分が残りにくいという特徴を生かして、洗浄用途などに使用されることもあります。
超純水とは?
純水について調べていると、「超純水」という言葉を目にすることがあります。
超純水は、純水をさらに高度に処理し、イオン、有機物、微粒子などを極めて低いレベルまで除去した水です。
半導体製造や精密な分析・研究など、高い水質が求められる分野で使用されています。
一般的な飲料水とは用途が異なり、必要とされる水質も大きく異なります。
純水は飲める?
「純水なら不純物が少ないから、そのまま飲料水として優れているのでは?」と思うかもしれません。
しかし、純水という言葉は水の純度を示すものであり、飲料用であることを意味する言葉ではありません。
工業用や研究用として製造された純水は、飲用を目的として製造・管理されているとは限りません。
飲む場合は、飲料用として製造・販売されている製品であることを確認することが大切です。
RO水にミネラルを加えた飲料水もある
飲料水の中には、RO膜などで水中の成分を取り除いたあと、ミネラル成分を加えて調整したものもあります。
この場合、原水にもともと含まれていたミネラルをそのまま残している水とは、つくられ方が異なります。
水を選ぶときは、「RO水」「天然水」「ミネラルウォーター」といった名称だけではなく、水源や処理方法、成分表示などを確認すると違いが分かりやすくなります。
純水の特徴を知って水を選ぼう
純水は、水に含まれるさまざまな物質を取り除き、純度を高めた水です。
RO膜、蒸留、イオン交換など、純水をつくる方法にも違いがあります。
一方、天然水には自然由来の成分が含まれ、水道水は家庭まで安全に供給するための処理や管理が行われています。
どの水が優れているかを名称だけで決めるのではなく、それぞれの特徴や用途を理解することが大切です。
水源、処理方法、含まれる成分、用途などを確認し、自分が求める目的に合った水を選びましょう。
※本記事は純水に関する一般的な情報の提供を目的としています。純水の定義や求められる水質は用途・分野によって異なります。製品についてはメーカーの表示や仕様をご確認ください。






