PFASは浄水器で除去できる?PFOS・PFOAと浄水方法

近年、水道水との関係で注目されるようになった「PFAS(ピーファス)」

ニュースなどでPFOSやPFOAという名前を見て、「家庭の浄水器で除去できるの?」「どんな浄水器を選べばいい?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

PFASには非常に多くの種類があり、浄水器での除去性能も、対象物質や使用するろ材、製品の設計によって異なります。

今回は、PFASとは何か、PFOS・PFOAとの関係、浄水器による除去方法や製品を選ぶときのポイントについてわかりやすく解説します。

PFASとは?

PFASとは、有機フッ素化合物の一群を指す総称です。

水や油をはじく性質、熱などに対する安定性を持つものがあり、これまでさまざまな用途で使用されてきました。

PFASには多数の物質が含まれており、その中でも特に知られているのがPFOS(ピーフォス)PFOA(ピーフォア)です。

PFASは一つの物質の名前ではないため、「PFASを除去できる」と考える場合には、具体的にどのPFASを対象としているのかを見る必要があります。

PFOS・PFOAとは?

PFOSとPFOAは、PFASに含まれる代表的な有機フッ素化合物です。

環境中で分解されにくく、長期間残留しやすい性質があることから、国内外で製造や使用の規制、環境や水質の調査が進められてきました。

日本でも水道水中のPFOS・PFOAについて管理が行われており、飲み水への関心が高まっています。

PFOS・PFOAについて知るときは、不安をあおる情報だけで判断せず、公的機関が公表する最新の基準や水質検査結果などを確認することが大切です。

PFASは浄水器で除去できる?

PFASの中には、適切な水処理によって除去・低減できるものがあります。

PFOS・PFOAなどの除去方法として知られているものには、活性炭、イオン交換、RO膜(逆浸透膜)などがあります。

ただし、PFASにはさまざまな種類があり、それぞれ性質が異なります。

同じ処理方法でも、対象となるPFASの種類、原水濃度、ろ材、接触時間、処理水量などによって除去性能は変わります。

「浄水器ならPFASを除去できる」というわけではなく、対象物質について性能が確認されている製品を選ぶことが重要です。

活性炭によるPFASの除去

活性炭は、非常に大きな表面積を持ち、水中の特定の物質を表面に吸着する性質があります。

PFOS・PFOAなど一部のPFASについても、活性炭を利用した除去・低減が行われています。

ただし、活性炭であればすべて同じ性能になるわけではありません。

活性炭の種類や量、フィルター構造、水との接触時間、使用水量などによって性能は異なります。

また、使用を続けると吸着できる量に限界が近づくため、適切なフィルター交換も重要です。

RO膜によるPFASの除去

RO膜(逆浸透膜)は、圧力を利用して水を膜に通し、水中に溶けているさまざまな成分を分離する水処理方法です。

PFOS・PFOAなどについても、RO膜を利用した除去方法があります。

一方、RO膜ではPFASだけではなく、カルシウムやマグネシウムなど、水中に含まれるミネラル成分も多くが除去・低減されます。

そのため、除去性能だけでなく、処理後にどのような水になるのかまで考えて選ぶことが大切です。

家庭用浄水器を選ぶときは試験結果を確認

PFAS対策を目的として家庭用浄水器を選ぶ場合、特に確認したいのが実際の除去性能試験です。

「高性能フィルター」「特殊ろ材」「PFAS対策」といった言葉だけでは、具体的な性能までは判断できません。

例えば、次のような点を確認するとよいでしょう。

  • PFOS・PFOAなど、どの物質を試験しているか
  • どのような試験方法・条件で確認されているか
  • 除去率や低減性能がどのように示されているか
  • どの程度の通水量まで性能が確認されているか
  • フィルターの交換時期はいつか

特に重要なのは、新品のフィルターで一度除去できたかだけではなく、使用を続けた場合の性能をどこまで確認しているかという点です。

「PFAS除去」と「PFOS・PFOA除去」は同じではない

PFASには多数の物質が含まれているため、PFOSとPFOAについて除去性能が確認されていることと、すべてのPFASについて同じ性能が確認されていることは同じではありません。

製品の性能を見る際には、「PFAS」という大きな括りだけでなく、実際に試験対象となった物質名を確認しましょう。

PFOS・PFOA以外のPFASについて気になる場合は、その物質について性能データがあるかを確認する必要があります。

煮沸すればPFASを除去できる?

水道水を沸騰させれば、すべての気になる物質を取り除けるわけではありません。

PFOS・PFOA対策として、家庭で一般的に行う煮沸を浄水器の代わりとして考えることは適切ではありません。

PFOS・PFOAを低減したい場合は、対象物質について除去性能が確認された水処理方法を選ぶことが重要です。

PFAS対策は「何でろ過するか」より「何を除去できたか」

PFAS対策として浄水器を選ぶとき、活性炭、RO膜などのろ過方式は重要な情報です。

しかし、ろ材の名前だけで実際の性能を判断することはできません。

最も確認したいのは、対象となるPFASについて、その浄水器で実際に除去性能が確認されているかどうかです。

PFOS・PFOAなど気になる物質がある場合は、製品の試験結果やフィルター寿命、使用条件などを確認し、自分の目的に合った浄水器を選びましょう。

※本記事はPFASおよび浄水器に関する一般的な情報の提供を目的としています。PFASに関する基準・制度等は変更される場合があります。また、除去対象物質、除去率、フィルター寿命などは製品によって異なるため、最新の公的情報および各製品の性能表示・試験結果をご確認ください。



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