三大栄養素 炭水化物、たんぱく質、脂質は健康と活動を支えるエネルギー源

脂質は効率の良いエネルギー源 これが肥満につながる原因に

炭水化物、たんぱく質、脂質という3種類の栄養素をまとめて三大栄養素と呼びます。ほかの栄養素に比べて食べる量が多く、3種類ともエネルギー(カロリー)源となるため、特に大切な栄養素です。 炭水化物、たんぱく質、脂質各1gを食べたとき、それぞれおよそ4kcal、4kcal、9kcalの熱量を生みます。この数値からわかるように、脂質は効率の良いエネルギー(カロリー)源です。これは、同じ量を食べるならば、脂質が肥満につながりやすいことを示しています。なお、エネルギー(カロリー)源になる栄養素には、ほかにアルコール(エタノール)があり、1gで7kcalのエネルギーを生みます。

からだをつくる材料のたんぱく質は子どもも大人も毎日一定量が必要

三大栄養素には、それぞれ独特の特徴と働きがあります。炭水化物はもっぱらエネルギー(カロリー)源として使われます。脂質は、一部がからだで細胞をつくるための材料として使われますが、大部分は炭水化物と同様にエネルギー(カロリー)源となります。この2つは、炭素、酸素、水素という3種類の元素からできている化合物であるという共通点もあります。 それに対して、たんぱく質は、炭素、酸素、水素、窒素という4種類の元素からできている化合物です。エネルギー(カロリー)源としてだけでなく、からだ(筋肉や臓器)をつくるための材料としても使われます。たんぱく質を十分に食べないと、子どもは成長することができませんから、たんぱく質は三大栄養素のなかでも、特に大切な栄養素と言えるでしょう。からだの筋肉や内臓は大人でも、毎日少しずつ入れ替わっています。ですから、子どもだけでなく、大人も一定量のたんぱく質を常に食べ続ける必要があります。

日本人はどれくらい三大栄養素を食べているの?

日本人の栄養摂取状態を調べた「国民健康・栄養調査」(図1)の結果を見てみると、2000年までは脂質摂取量が増え、その分、炭水化物摂取量が減ってきたことがわかります。たんぱく質の摂取量に大きな変化は見られません。現在では、エネルギー全体に占める割合として、たんぱく質が15%、脂質が25%、炭水化物が60%となっています。ただし、全国の平均値ですから、個人ごとに見れば、大きく異なります。 直近(2004年)の調査結果(図2)を年齢ごとに見てみると、男女ともに10代後半で脂質摂取量がもっとも多くなり、それよりも上の年齢になるほど脂質摂取量が減り、炭水化物摂取量が多くなる傾向があります。